
书籍名
ゴミが作りだす社会 现代インドネシアの廃弃物処理の民族誌
判型など
260ページ、础5判
言语
日本语
発行年月日
2025年2月4日
ISBN コード
978-4-13-036292-4
出版社
东京大学出版会
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
SDGs (持続可能な開発目標) という言葉がもはや聞き飽きられてしまっているほど、現代世界が抱える問題としての環境問題について聞かない日はない。そうした環境問題の具体例として、「ゴミ」はイメージの湧きやすい身近なもののひとつだろう。
しかし、「ゴミ问题」と一口に言っても、具体的にどのような问题なのか、そしてどのように解决すべきなのかは、実际には地域や时代によって様々である。たとえば、日本では当たり前とされている焼却処理は、いわゆる先进国の间でも必ずしも当然の技术ではなく、むしろ日本が例外的に焼却処理の割合が高い国として知られている。また、本书が対象とするインドネシアでは、1998年のスハルト政権の崩壊とその后の民主化という社会の変化と连动しており、地域住民や环境狈骋翱などによる自由な社会运动が可能になる中で、ゴミ问题への関心が高まって新たな取り组みが模索されるようになっている。廃弃物処理は、技术的な要素と社会的な要素が络まり合い、各地で多様な姿を见せているのである。
本书は、インドネシア第二の都市スラバヤを事例に、廃弃物処理におけるこうした技术と社会の络まり合いを追った民族誌的研究である。スラバヤ市は、2000年代にゴミ问题が表面化し、様々な取り组みがなされてきた。日本の北九州市との开発协力や、埋立処分场の民営化、そして「ゴミ银行」や生ゴミの堆肥化装置などの住民自身による廃弃物処理のテクノロジーの开発といった无数のプロジェクトが生まれ、その结果、スラバヤは环境面で先进的な都市としてインドネシア国内で知られるようになっている。本书は、こうしたスラバヤのゴミ问题や解决策の取り组みが、地方政治の変动や环境狈骋翱の登场、そして住民参加という新たな开発理念の浸透といったインドネシアの社会変化と深く相互関係にあることを论じている。
その上で本书が试みているのは、こうしたスラバヤの廃弃物処理を欧米や日本のそれと、ある意味で同列に扱えることを示すことである。インドネシアのような地域は、技术面?制度面で不十分な「発展途上国」という枠组みで扱われてしまうことが多い。确かにスラバヤでも、埋立処分场の民営化の背景にある汚职の疑惑や、他の取り组みと比较して肥大化を続ける住民参加など、多くの课题が地元の関係者からも批判されている。しかし、こうした课题を抱えながらも、あるいはむしろ课题とされている点が要因となり、先进的な技术の导入とは异なる回路で「曲がりなりにもうまくいっている」テクノロジーの形が现れているのである。理论的に本书が依拠している科学技术の人类学は、もともとは欧米などの先进的な技术の社会的侧面を明らかにすることで科学技术の特権性を突き崩すものであるが、本书ではその构図を反転させ、インドネシアでの技术を「先进国」の事例と优劣の区别なく比较可能であることを示そうと试みたものである。
环境问题の议论では解决策の提案が性急に求められることも多いが、それぞれの现场では既に多くの试行错误が积み重ねられているのであり、その复雑さをまず学ぶことが重要だ、というのが本书の提案でもある。厂顿骋蝉といったフレーズを懐疑的に思うような読者にも、本书を通じて、ゴミ问题や环境问题を技术と社会のダイナミズムの场として见る面白さが伝わればと愿っている。
(紹介文執筆者: 吉田 航太 / 2025年10月24日)
本の目次
序章 廃弃物処理と现代インドネシアの民族誌
1 インフラストラクチャーの人类学
2 廃弃物の社会科学と「ゴミ」の复雑性
3 廃弃物処理インフラの民族誌と本书の问い
4 现代インドネシアの民族誌
5 各章の概要
第1章 スラバヤにおける廃弃物処理インフラ
1 调査地の概要
2 スラバヤにおける廃弃物処理の歩み
3 二重のインフォーマリティ――収集人とプムルン
第2章 民主化とゴミ问题の登场
1 ゴミ问题の発生――インフラの机能不全
2 ゴミ问题の构造――复数の问题の络まり合い
第3章 市场化の隠れた机能
1 日系公司の开発プロジェクトの事例
2 纯粋な市场化の课题――ゴミの混合性
3 埋立処分场の民営化の事例
4 不透明な市场化の効果――分离による问题の安定化
第4章 住民参加型开発の登场
1 「住民」概念の系谱D―开発の対象から権利の主体へ
2 キーファクターとしての环境狈骋翱
3 スラバヤにおける环境狈骋翱
第5章 住民参加のパラドックス
1 住民参加のテクノロジー――絶えざる発明と増殖
2 环境コンテスト――住民参加の「剧场」
3 住民参加の「成功」と専门家による批判
终章 ゴミが作りだす社会
1 3つの廃弃物処理
2 ゴミ问题に内在する复数性
3 社会とインフラの「分散」
おわりに
用语集
参照文献
関连情报
令和6年度日本学术振兴会科学研究费助成事业 (研究成果公开促进费)
受赏:
第5回东京大学而立赏受赏 (东京大学 2024年)&苍产蝉辫;
/ja/research/systems-data/n03_kankojosei.html
书评:
待川匙 評「読書日録」 (『すばる』 2025年5月号)
讲演会?セミナー:
「東南アジアの都市居住」第15回定例研究会 (ダイキンセミナー) (CSEAS x DAIKIN Joint Research 2025年8月4日)
「自著を語る」シリーズ『ゴミが作りだす社会―现代インドネシアの廃弃物処理の民族誌 (静岡県立大学グローバル?スタディーズ研究センター公開セミナー 2025年2月20日)
インドネシアのダークインフラ、あるいはゴミから見える熱帯技術論と未来主義 (ゲンロンカフェ 学問のミライ第4回 2023年9月13日)
