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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

ライトベージュの表紙

书籍名

記号と再帰 新装版 记号论の形式?プログラムの必然

着者名

田中 久美子

判型など

272ページ、A5判 (初版: 2010年)

言语

日本语

発行年月日

2017年4月25日

ISBN コード

978-4-13-080256-7

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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「记号」とは、意味を表す媒体であり、何かの対象を指し示すものをいう。たとえば、「木」において、この「木」という文字、あるいは、「き」という音は、木々を指し示すため「木」は记号である。この例からも明らかであるように、言叶の一つ一つは记号である。さらに、记号は言叶に留まらず、一见そうとは思われないものも记号の内である。たとえば、「ベートーベンの第九」は、日本においては年末を象徴することも多く、また、クラシック音楽の代表の一つを表すこともあり、それは一つの记号を形成する。また、痛みのような曖昧なものであっても、その现象は体の不具合を指し示すため、记号とみなすことができる。
 
Man is a sign ----人は記号である---とは、記号論の父C.S.パースの言葉である。人は記号を媒介することにより対象を認識し、記号は周りにあふれている。さらに、近年の情報技术は、実体の記号化を押し進め、現代において人は記号の大海の中を生きているといっても過言ではない。
 
記号の特性を論じる学問分野は記号論---英語ではSemiotics---である。記号論は、ソシュールならびにパースにより考えられた。解析対象は、自然言语を超え、音楽、写真、映画、無意識、そして、昨今では動物の発声や間(ま)などまでを含む。また、記号が増殖する動態やそれが及ぼす社会的影響にも、その考察は広がる。その中で、基本的な単位である記号の性質は、思想家の言質がそれとして残されているに留まり、その本質を体系立って整理するようなことは行われて来なかった。
 
本書は、情報技术の中でもプログラミング言语を、記号論の視点から捉えることを通して、記号論の基礎を再考する書である。プログラミング言语の背景には形式言语理論があり、その表現は記号の本質を捉えているともいえる。本書は、形式言语理論と諸記号論の対応を考えることを通して、記号論に関するこれまでの理論を整理し、「記号一般の性質」を再考する。
 
表題に表されているように、記号の本質は、その再帰性、すなわち「自身を参照することで分節される」という点にある。再帰性が故に記号は恣意的であり、そして記号の系は差異の体系を形成する。本書は三部から構成され、第一部でこの記号の本質を考察した後、第二部で記号にどのような種類があるのか、第三部で記号がどのようなシステムを構成するのかが論じられる。異なる視点から、ソシュールとパースの理論体系のそれぞれの、プログラムの形式言语理論との対応が考察され、記号に関する論点が体系的に整理されている。
 
現在、記号論は国際的な学術分野を形成している。学術誌Semiotica他を始め、記号論の世界的動向を総覧する書籍も数年に一度のペースで出版されている。その中で、本書に対応する英文書籍「Semiotics of Programming」は、記号論の観点を超えて位置付けられ、参照されてきた。本ページの以下では、本書に対する代表的な言及のいくつかが参照されている。

 

(紹介文執筆者: 先端科学技术研究センター 教授 田中 久美子 / 2020)

本の目次

主要目次
1章 人工言语と記号論
2章 情报记号

第1部 记号のモデル
3章 バビロンの混乱
4章 记号が一体化する时
5章 「である」と「する」

第2部 记号、対象の种类
6章 文 x:=x+1
7章 叁种类の项
8章 ある■?その■

第3部 记号のシステム
9章 构造的?构成的
10章 记号と时间
11章 系の再帰と进化
12章 结 语
新装版によせて
 

関连情报

受赏:
第19回2010年度大川赏?大川出版赏受赏 (公益财団法人大川情报通信基金 2011年3月)

 
第32回サントリー学芸賞 (思想?歴史部門) 受賞 (サントリー文化財団 2010年12月)

 
着者インタビュー:
つながるコンテンツ 研究の壁を越えたとき IV 「コンピュータでもわかる記号論。」 (researchmap 2011年1月13日)

 
书评:
大川出版赏 选评 (公益财団法人大川情报通信基金 2011年3月)
「記号論」は一般的に自然言语において、言语現象についての哲学の一分野を形成するものといわれているが、本書は、自然言语と異なり、整備された規則をもつプログラミング言语を記号系の観点から捉え直し、再帰性の概念を軸に人間の記号系の本質を再考しようとする意欲的な書である。工学と人文?社会にまたがる幅広い視点からの考察が加えられており、著者の見識の深さとその観察力に豊かな才能を見る。今後、コンピュータを制御するプログラミング言语という形式的な記号系において再帰性をどのように扱っていくのかということについての問題を提起し、国際的なレベルの新しく深い知見を展開した著作であり、学術的にも優れた専門書である。
岩井克人 (国際基督教大学特別招聘教授) 評 サントリー学芸賞 選評 (サントリー文化財団 2010年12月)

 
McGee, K. National University of Singapore, Singapore
Book review / Artificial Intelligence 175(5-6),930-931

 
John H. Connolly, Loughborough University, UK
Book review / Cambridge University Press

 
Marcel Danesi, University of Toronto
Book review / Cambridge University Press

 
Kyo Kageura, University of Tokyo
Book review / Cambridge University Press

 
Simon Thompson, University of Kent Canterbury, United Kingdom , Computing Reviews
Book review / Cambridge University Press

 
George Lazaroiu, Linguistic and Philosophical Investigations
Book review / Cambridge University Press

 
Rudy McDaniel, University of Central Florida
Book review / Cambridge University Press

 
Kumiko Tanaka-Ishii — Computational Semiotics Pioneer

 
Wikipedia:

 
関连记事:
“Semiotics of Computing : Filling the Gap Between Humanity and Mechanical Inhumanity”
 In International Handbook of Semiotics, chapter 44, pages 981|1002,Springer, May 2015.

 
初版:
記号と再帰 (东京大学出版会 2010年6月発行)

 

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