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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白い表紙に人々がもやもやを見つめるブルーのイラスト

书籍名

多元的无知 不人気な规范の维持メカニズム

着者名

岩谷 舟真、正木 郁太郎、

判型など

224ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2023年12月4日

ISBN コード

978-4-13-016126-8

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本書は、「多元的无知」と呼ばれる集合現象に焦点を当て、その生起?維持メカニズムを探究した一連の研究の成果報告です。多元的无知とは、「集団の多くのメンバーが、自らは集団規範を受け入れていないにもかかわらず、他の成員のほとんどがその規範を受け入れていると信じている状況」として定義されます。
 
身近にある多元的无知の例として、男性の育児休業取得をめぐる職場規範を挙げることができます。2022年に実施された厚生労働省委託調査では、子どもを授かった男性社員が育児休業を利用しなかった理由の第2位は「職場が育休制度を取得しづらい雰囲気だった」というものでした (第1位は「収入を減らしたくなかった」)。しかし、人々が感じている雰囲気は、職場の実態を正しく反映したものとは限りません。企業の従業員を対象とした近年の社会心理学の調査研究では、回答者の大半が「自分は男性の育休取得に肯定的だが、他者はそうではない」と考えていることが一貫して示されています。つまり、実際には男性の育休取得を批判する同僚は少ないにもかかわらず、子どもを授かった男性社員の多くが、「自分以外の多くの人が『男性は育休取得を控えるべきだ』と考えている」と思い込み、この誤った推測に基づいて育児休業の取得を断念しているといえるのです。
 
本書は、上記を含むいくつかの多元的无知現象を概観したうえで、著者の研究チームによる実証研究の成果を三部構成で報告しています。第I部で紹介するのは、参加者を実験室に招いてその場限りの少人数の集団をつくり、多元的无知の生起メカニズムを検討した二つの心理学実験です。うち一方の実験では、2種類のミネラルウォーターのうちどちらが高品質かを当ててもらうという課題を用意し、明らかに味が劣ると思われる方の水を、他の参加者の多くが選んでいる様子を参加者に呈示します。その後、参加者がどちらの水を選ぶかを観察するとともに、彼らがその選択に先立って、他の参加者の態度やその場の規範についてどのような推論を行っていたかに着目して、個人の認知と行動との関わりを分析します。第II部では、多元的无知現象と社会環境とのかかわりについて検討した、二つの社会調査研究を紹介します。ここでは、地域集団における人々の流動性という環境要因に焦点を当て、流動性の高低に応じて多元的无知現象の生じやすさにどのような違いがあるかを検討します。さらに第III部では、ビジネスの現場を対象とした二つの応用研究を紹介します。うち一つは、ある大手企業で組織調査を実施し、24部署の従業員を分析対象として、職場ごとの風土の違いと多元的无知との関わりについての集団間を比較分析しています。
 
多元的无知という集合現象に科学的視点から取り組み、その生起から維持?再生産に至るプロセスを可視化しようとした私たちの試みを、読者にもぜひ、追体験していただければ幸いです。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 村本 由紀子 / 2025)

本の目次

序 章 多元的无知とは
 
第I部 多元的无知を生み出す認知メカニズム
第1章 多元的无知はどのように生起するのか(研究1)
第2章 多元的无知状態が維持されるメカニズム(研究2)
 
第II部 多元的无知状態が生じやすい社会環境の検討
第3章 関係流動性の高さと多元的无知の関係(研究3)
第4章 居住地流動性の高さと多元的无知の関係(研究4)
 
第III部 ビジネスの現場を対象とした応用的研究
第5章 个人のパフォーマンス(职务能力)と転职行动との関连(研究5)
第6章 職場における多元的无知とその帰結(研究6)――職場間比較の視点
 
第滨痴部 不人気な规范が解消されるには
第7章 本書のまとめ――多元的无知を引き起こす認知?環境要因と個人差
第8章 本书の社会的?文化的?実践的意义と展望
 

関连情报

受赏:
※この书籍で绍介されている研究に関する着者の学术论文のいくつかは、以下の学会赏を受赏しています。
?研究1 2016年 日本社会心理学会 奨励論文賞(岩谷?村本, 2015)
?研究2 2018年 日本グループ?ダイナミックス学会 優秀論文賞(岩谷?村本, 2017a)
?研究4 2018年 日本社会心理学会 奨励論文賞(岩谷?村本, 2017b)
?研究6 2022年 日本社会心理学会 優秀論文賞(正木?村本, 2021)
 
书评:
宮島 健 (福岡女学院大学) 評 (『実験社会心理学研究』64巻1号、p.51-52 2024年5月11日)

 
関连记事:
首を傾げたくなる“暗黙のルール”が存在するのはなぜ? 社会心理学研究者がひもとく「多元的无知」〈前編〉 (yoi 2025年5月20日)


“暗黙のルール”は変えられる? 社会心理学研究者に聞く「多元的无知」を崩すヒント〈後編〉 (yoi 2025年5月20日)

 
誰も望まない“暗黙のルール”はなぜ維持されるのか?──「多元的无知」の視点から|社会心理学研究者?岩谷舟真 (一般社団法人デサイロ 2024年10月11日)

 
イベント:
【Academic Insights #5】暗黙のルールはなぜ変わらない?「多元的无知」から考える──社会心理学研究者 岩谷舟真 (一般社団法人デサイロ 2024年10月20日)

 

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