失った手足の痛みを感じる仕组み 失った手足の运动とそれらの痛みとの関係を解明


両手協調運動課題(Bimanual circle-line coordination task; BCT)によって幻肢の運動と幻肢痛の関係を定量的に評価
実験参加者は健康な手で直线を描きながら幻肢で円を描くように指示されます。幻肢痛が重度な者は健康な手で描く直线が歪まず、幻肢痛が軽度な者は健康な手で描く直线が歪みます。幻肢をはっきりと运かせる者は幻肢痛が軽度であることがわかりました。
© 2015 Michihiro Osumi.
东京大学医学部属病院缓和ケア诊疗部の住谷昌彦准教授を中心とする研究グループは、切断によって失ったはずの手足を自分の意志で动かしているような感覚(幻肢の运动)の计测手法を开発し、幻肢の运动ができないと幻肢の痛みが强いことを明らかにしました。この计测手法は新しい幻肢痛の指标として治疗开発に贡献することが期待されます。
幻肢痛は手腕や足の切断后に失ったはずの手足が存在(幻肢)するように感じられ、その幻肢が痛いという不思议な现象です。幻肢と幻肢痛は、手足の切断后だけでなく、神経伤害や脊髄损伤などによって手足の感覚と运动が麻痺した场合にも现れることがあります。幻肢痛(神経障害性疼痛)は、さまざまな原因で起こる慢性疼痛の中でも最も重症度が高いことが知られていますが、その治疗法は十分ではありません。幻肢痛が発症するメカニズムとして、脳に存在する身体(手足)の地図が书き换わってしまうことが报告されていましたが、このような身体の地図の书き换わりを引き起こす要因については明らかにされておらず、発症メカニズムに基づいた治疗法の开発が待たれます。
研究グループは、健康な手と幻肢を同時に動かす両手協調運動課題(Bimanual circle-line coordination task; BCT)という手法を用いて、幻肢の運動を計測し、幻肢の運動と幻肢痛との関係を調べました。その結果、幻肢を運動できるほど幻肢痛が弱く、幻肢を運動できないと幻肢痛が強いことを見出し、幻肢痛の発症には幻肢の随意運動の発現が直接的に関連していることを明らかにしました。
叠颁罢は、幻肢の运动を定量的に评価することのできる手法で、健康な手で直线を描くのと同时に幻肢で円を描くと、健康な手で描く直线が円形に歪むという现象を利用したものです。健康な手で描く直线の歪みが大きければ大きいほど、幻肢で円を描く运动が行われていることを意味します。
この成果は、幻肢痛の治疗开発に贡献すると期待され、さらに、住谷昌彦准教授は「大学院情报理工学系研究科の国吉康夫教授らとバーチャルリアリティ(仮想现実)を用いた新しい幻肢痛の治疗开発の临床研究を始めたところです」と话します。今后の成果は、幻肢痛や脊髄损伤后疼痛等の神経障害性疼痛疾患の治疗に贡献するものと期待されます。
なお、本研究は东京大学先端科学技术研究センターの熊谷晋一郎准教授、同大学院情报理工学系研究科の国吉康夫教授、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住伦弘助教らと共同で行われらものです。また、本研究は文部科学省科学研究费补助金新学术领域研究「构成论的発达科学」の支援を受けて実施されました。
论文情报
Structured Movement Representations of a Phantom Limb Associated with Phantom Limb Pain", Neuroscience Letters Online Edition: 2015/08/10 (Japan time), doi:10.1016/j.neulet.2015.08.009.
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