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3万年前の日本列岛への大航海を当时の材料と道具で彻底再现 知の冒険者たち(6)|海部阳介

掲载日:2024年9月25日

知の冒険者たち 极圏、砂漠、火山岛に无人岛、
5640尘の高山から5780尘の深海まで

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38,000年前ごろに日本列岛に现れたホモ?サピエンス。海を渡って辿り着いたと考えられています。
3万年前に海を渡るというのはどういうことだったのか。
それを体感し、祖先への理解を深めたいと実験航海プロジェクトを企画した海部先生。
台湾から与那国岛までの45时间にわたる航海、そして现在开催中の海に関する展示会などについて闻きました。

人类进化学 icon 南西诸岛

3万年前の日本列岛への大航海を当时の材料と道具で彻底再现

海部阳介
KAIFU Yousuke

総合研究博物館 教授

海部阳介
シーカヤックを漕いでいる写真
漕ぎ手はシーカヤックのプロなどの5名。クラウドファンディングと公司や団体からの寄付により実験航海が実现しました。

草束舟と竹筏舟を试して最后に丸木舟に

私の専门は骨の形态学です。これまでジャワ原人やフローレス原人、旧石器人などアジアを中心とした人骨の研究を行ってきました。どんな人がいて、どう人类が进化したのか。骨の研究を通して、人间の长い歴史を読み解くことに兴味がありました。生物学科の卒业ですが人间の文化や技术にも関心があり、道具などの考古学研究もにも関わってきました。それらの研究の一环で、旧石器人骨が见つかっている冲縄の洞窟などの调査をしているとき、ふと考えたのが、「なぜこの岛に人がいるんだろう」ということでした。原始的な技术しか持っていなかったのにそこにいた、ということが何か途辙もないことに思えました。

ホモ?サピエンスは30万~10万年前にアフリカで诞生し、その后世界中に拡散していきました。日本列岛にやってきたのは后期旧石器时代の约38,000年前。北海道ルート、対马ルート、冲縄ルートと3つの経路があったと考えられていますが、対马と冲縄については海を渡る必要があります。「海を越える」というのはどのようなことだったのか。それを理解せずに、地図上にサッと矢印を书くことに抵抗がありました。それを知るためのベストアプローチは何かと考えた末に始まったのが、です。3万年前にあったと推定される材料、道具、技术で舟を作り、海を渡る。自分で体験してみるしかないという発想でした。

2013年から2019年まで、足かけ6年取り组みました。国立科学博物馆に在籍していた时です。色々な専门家に声をかけ、研究者、冒険家、运営スタッフなど総势60人のチームで実行しました。挑戦したのは、台湾から与那国岛までの、强大な黒潮が流れる200办尘超の难関ルートです。草束舟、そして竹筏舟を作り実験しましたが、时间が経つと水が染みてきてしまったり、スピードが出なかったりなどの课题があり、秒速1~2尘で流れる黒潮を超えることはできませんでした。试行错误の末、行き着いたのが丸木舟です。旧石器型石斧を使って6日间かけて杉の大木を切り倒し、それをくりぬいて丸木舟を作りました。

旧石器型石斧
杉を切り倒すために使用した旧石器型石斧。
「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」における台湾から与那国島までの丸木舟航海ルート
「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」における台湾から与那国島までの丸木舟航海ルート(2019年7月)。円は海上から島が見える範囲。

台湾から与那国岛まで漕いだ45时间

2019年7月7日午后、台湾东岸を出発しました。漕ぎ手は男性4人と女性1人。ふだんシーカヤックを漕いでいる冒険家などです。コンパスや地図を持たずに、风や太阳の位置など自然の中にある様々なサインを読むことで、远い水平线の下で见えない与那国を目指しました。台湾の陆がまだ见えているときには常に振り返りながら、その距离感と方向を考えました。夜一番信頼できるのは星。絶対的指标です。曇って星が见えなくなったときには、うねりがどの方向から来ているかで、方角を推定しました。

私の役割は、全体の観察、记録、运営、そして安全管理です。伴走船から漕ぎ手たちの様子を双眼镜で覗いたり、海の様子をなるべく寝ずに确认していました。何かあった时にしっかりと対応できるように仮眠は取りましたが、寝ないで全てを见たいという思いでした。途中、海上が荒れたり、针路が逸れてしまったりなど「まずいな」と思う时もありましたが、出発から45时间、7月9日昼前に与那国岛に到着することができました。

最后にどのように与那国岛が见えるのか、ということを岛を目指していた间ずっと想像していました。时间帯や天候によっても违うので、いろんなパターンがあるだろうと考えていました。実际に岛があると分かったのは夜が明けた时。岛影はまだ见えませんでしたが、岛の上の気流が乱れているためにできる、上空に尾を引くような独特な云が见えました。想像したどのパターンとも违いました。何年もやってきた中で一番感动した时です。

3万年前にホモ?サピエンスがなぜ岛を目指したかは今でも分かりません。永远の谜です。ただ実験航海からは得たものがたくさんありました。一つは海を越えることの大変さを理解できたこと。それから他者や他集団を见る新しい视点を得たことも大事な成果です。

「原始人」などと、ともすれば揶揄されることがありますが、当时の人达は当时の技术でものすごいことを达成したと思うようになりました。

実験航海で使った丸木舟
実験航海で使った丸木舟。全长は约7尘50肠尘。
与那国島方面の海
台湾の立雾山から眺めた与那国岛方面の海。

原始と现代の海の向き合いかたを知る

「海の人類史——パイオニアたちの100万年」ポスター
10月6日までインターメディアテクで开催中の特别展示。东京駅前碍滨罢罢贰内。
入馆无料。午前11时开馆
休馆日:月曜日

私たちの祖先が海を渡って日本列島に到達し、その後も続いた海の開拓史を振り返る特別展示を企画しました。「海の人类史&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;パイオニアたちの100万年」と題し、10月6日まで「インターメディアテク」で開催しています。本学の村山英晶教授とのコラボで、原始と現代という2つの軸で構成しました。道具や骨などの展示を通して太古の人類の驚きの行動を紹介するだけでなく、現代人は海とどう向き合っているのかを、造船の最新技術や海運の現場などを通じて紹介しています。ぜひ、異なる立場にいる両者を比べてみてください。

私は人类学者なので、人间の歴史とともに、人の多様性や、多様性のルーツに兴味があります。人间は、外见や文化において大きな多様性を示しますが、遗伝的な多様性はそんなに高くありません。ゲノムレベルでの多様性はチンパンジーよりはるかに小さいです。そういった多様性の本质を调べるのが人类学者の役割で、それを理解して皆さんに伝えていきたいと思っています。今回の特别展示もその一环ですが、この先は、そこをもう少し掘り下げていきたい。约200万年に渡るアジアの人类史が私の研究テーマです。その中で人间ってなんだろう、今ってどういう时代なんだろうということを考える材料をどんどん出していきたいと考えています。

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