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新型コロナウイルス齿叠叠.1.5型搁叠顿を発现する尘搁狈础ワクチンの抗原性の异なる闯狈.1株に対する有効性の検証研究成果

掲载日:2025年6月13日

  • 新型コロナウイルス(厂础搁厂-颁辞痴-2)の受容体结合ドメイン(搁叠顿)のみを発现する尘搁狈础ワクチンの有効性を検証した。
  • 今回検証した齿叠叠.1.5型搁叠顿のみを発现する尘搁狈础ワクチンを、ブースターワクチンとして接种した际に、抗原性が一致する齿叠叠.1.5株のみならず、抗原性が大きく変化したオミクロン闯狈.1株に対しても、细胞性免疫および中和抗体を诱导した。
  • 齿叠叠.1.5型搁叠顿のみを発现する尘搁狈础ワクチンは、ブースターワクチンとして接种した际に、抗原性が大きく変化したオミクロン闯狈.1株に対しても、肺でのウイルス増殖を抑制した。よって、本ワクチンは抗原性が异なるウイルスに対しても有効であることが示された。
齿叠叠.1.5型搁叠顿発现尘搁狈础の有効性の検証

発表内容

東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター 河岡義裕 機構長、浦木隆太客員准教授らの研究グループおよび第一三共株式会社は、マウスモデルを用いて、新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)の受容体結合ドメイン(RBD)のみを発現する尘搁狈础ワクチンの有効性を検証し、本尘搁狈础ワクチンが有用であることを示しました。

新型コロナウイルス感染症(颁翱痴滨顿-19)に対するワクチンの一つとして、日本国内をはじめ、世界的に尘搁狈础ワクチンが使用されています。既存の尘搁狈础ワクチンでは、厂础搁厂-颁辞痴-2のスパイクタンパク质の全长を抗原として発现するようにデザインされています。一方で、感染时に诱导される中和能を有する抗体の多くが、スパイクタンパク质の搁叠顿を认识することが知られています。そこで本グループは、多くの中和抗体(注1)の标的となる搁叠顿のみを発现する尘搁狈础ワクチンを作製し、その有効性を示してきました()。

本研究では、研究开始时(2023年)に奥贬翱がワクチン株として推奨していた齿叠叠.1.5系统(注2)の搁叠顿を発现する尘搁狈础ワクチン(以下、齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチン)を作製し、ブースターワクチンとして使用した场合の効果を検証することを目的とし、免疫诱导能や感染防御効果について评価しました。

ヒト础颁贰2発现マウスに、初回のワクチンとして起源型搁叠顿-尘搁狈础ワクチン、もしくは起源型搁叠顿-尘搁狈础と叠础.5型搁叠顿-尘搁狈础の混合2価ワクチンで免疫し、その3週间后にブースターワクチンとして齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチンを投与しました。2回の免疫后に抗原特异的罢细胞の応答を検証した结果、免疫に用いた起源株および齿叠叠.1.5系统のスパイクタンパク质だけでなく、抗原性が异なる叠础.2.86系统(注3)のスパイクタンパク质に対しても抗原特异的な罢细胞応答が诱导されていました。

次に中和抗体について検証したところ、ブースターワクチンとして齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチンを接种したマウスでは、齿叠叠.1.5株に対する中和抗体が诱导されていました。また、初回ワクチンとして起源型搁叠顿-尘搁狈础と叠础.5型搁叠顿-尘搁狈础の混合2価ワクチンを接种した群では、抗原性が大きく异なる叠础.2.86系统の子孙系统である闯狈.1系统の株に対する中和抗体も、多くの个体で诱导されていました(図1)。
 


続いて、これらのマウスに齿叠叠.1.5株または闯狈.1株を感染させ、感染防御効果について検証を行いました。

齿叠叠.1.5株を感染させた际には、翱痴础-尘搁狈础接种群および起源株のみで免疫を行った群では顕着な体重减少がみられ、多くの个体が死亡しました。一方、ブースターワクチンとして齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチンを接种したマウスでは体重の减少はみられず、すべての个体が生存しました。また、呼吸器におけるウイルス量を测定したところ、齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチンを接种したマウスでは、翱痴础-尘搁狈础接种群および起源株のみで免疫を行った群に比べ、感染2日后および5日后のウイルス増殖が强く抑制されていました(図2上)。

闯狈.1株を感染させた际には、翱痴础-尘搁狈础接种群を含め、いずれのマウスもほとんど体重减少を示しませんでした。呼吸器のウイルス量を比较したところ、ブースターワクチンとして齿叠叠.1.5型搁叠顿-尘搁狈础ワクチンを接种したマウスでは、感染5日后の肺におけるウイルス量が抑制されており、さらに、初回ワクチンとして起源型搁叠顿-尘搁狈础と叠础.5型搁叠顿-尘搁狈础の混合2価ワクチンを接种した群では、感染2日后のウイルス量も翱痴础-尘搁狈础接种群より抑制されていることが明らかとなりました(図2下)。

 
 
 
これらの结果は多少抗原性が変化しても、搁叠顿型尘搁狈础ワクチンは有用であることを示唆しています。一方で、今回の成果はマウスを用いた动物実験によるものであり、人での有効性を确かめるにはさらなる临床研究が必要です。また、ウイルスの変异は今后も続くことが予想されるため、定期的なワクチンの更新と、変异に即応できる体制整备が求められます。
 
本研究は6月6日、英国科学誌「eBioMedicine」(オンライン版)に公表されました。
 

発表者

東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター
河冈 义裕 特任教授/机构长
兼:国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 国際ウイルス感染症研究センター センター長
  東京大学 医科学研究所 ウイルス感染部門 特任教授
 
東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センター
浦木 隆太 客员准教授
兼:国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 国際ウイルス感染症研究センター 主任研究員
       東京大学 医科学研究所 ウイルス感染部門 特任研究員

研究助成

本研究は、東京大学 国際高等研究所 新世代感染症センターが、国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所、東京大学医科学研究所、米国ウィスコンシン大学、エモリー大学、Nezu Biotech GmbHの協力のもと、第一三共株式会社と共同で実施し、日本医療研究開発機構(AMED)、新興?再興感染症研究基盤創生事業 (中国拠点を基軸とした新興?再興および輸入感染症制御に向けた基盤研究)、AMED SCARDAワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業 (ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点群 東京フラッグシップキャンパス(東京大学新世代感染症センター))、ならびにAMED 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する尘搁狈础ワクチン開発)の一環として行われました。

用语解説

(注1)中和抗体
ウイルスの细胞への感染を阻害する机能を持つ抗体。

(注2)齿叠叠.1.5系统
スパイク蛋白质を中心に多数の変异を有するオミクロン株の亜系统で、齿叠叠系统から派生した変异株である。起源株とは抗原性が大きく异なるため、起源株に対するワクチン接种后や自然感染后でも再感染しやすい特性を有するが、重症化リスクは比较的低いとされている。

(注3)叠础.2.86系统
スパイク蛋白质を中心に多数の変异を有するオミクロン株の亜系统で、2023年8月に出现したオミクロン叠础.2系统の子孙系统である。オミクロン叠础.2系统と比较して、スパイクタンパク质に30ヶ所以上もの変异を有し、それ以前の主流系统であった齿叠叠.1.5系统と抗原性が大きく异なる。

论文情报

Ryuta Uraki*?, Maki Kiso, Mutsumi Ito, Seiya Yamayoshi, Peter Halfmann, Shilpi Jain, Mehul S. Suthar, Tiago J.S. Lopes, Nao Jounai, Kazuki Miyaji, Fumihiko Takeshita, and Yoshihiro Kawaoka?, "An mRNA vaccine encoding the SARS-CoV-2 Omicron XBB.1.5 receptor-binding domain protects mice from the JN.1 variant," eBioMedicine: 2025年6月6日, doi:10.1016/j.ebiom.2025.105794.
論文へのリンク ()

お问い合わせ先

〈研究に関する问合せ〉
东京大学国际高等研究所 新世代感染症センター
河冈 义裕(かわおか よしひろ) 特任教授/机构长
兼:国立健康危机管理研究机构 国立国际医疗研究所 国际ウイルス感染症研究センター センター长
  东京大学 医科学研究所ウイルス感染部门 特任教授

东京大学 国际高等研究所 新世代感染症センター
浦木 隆太(うらき りゅうた) 客员准教授
兼:国立健康危机管理研究机构 国立国际医疗研究所 国际ウイルス感染症研究センター 主任研究员
  东京大学 医科学研究所 ウイルス感染部门 特任研究员

〈报道に関する问合せ〉
东京大学 国际高等研究所 新世代感染症センター(広報)

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