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NEXT150を見据えたコミュニケーション?キャンペーン 総長と理事に聞く Challengers for Changes 総長 藤井輝夫,理事 岩村水樹

コミュニケーション戦略本部は、新しい東大のブランドコミュニケーションを学内外で推進するための一助として、Challengers for Changes(C4C)をスローガンとするキャンペーンを開始しました。4年越しでこのキャンペーンを主導してきた理事と、当初からともに検討を重ねてきた総長のお二人に、C4Cにこめた大学改革の思いを聞きました。

4年越しの思いがスローガンに

――このキャンペーンの构想はいつ顷に生まれたのでしょうか。

岩村 私は理事に就任する前から、东大は変わるための挑戦を続けていると闻いていました。ただ、従来はその姿が外には见えにくく、多様な分野で挑戦して社会に贡献してきたことが十分には伝わっていませんでした。総长を中心に次の150年を见据えた変革に取り组んでいますが、これはまさに颁丑补濒濒别苍驳别谤蝉だなというのが私の印象でした。このキャンペーンは、そうした东大の姿を世の中に伝えるフレームワークと位置づけています。

藤井 変化が激しい现代においては昔と同じことを続けるのでなく、社会も东大も従来の延长から外れないといけません。150周年を迎えつつある今この言叶を掲げることに意义を感じます。研究はどの分野でも常に新しいことに挑戦すべきですが、それは教育や大学経営も同じです。

 东大は社会に贡献するリーダーを育ててきましたが、求められるリーダー像は大きく変わっていて、今は昔より强く颁丑补濒濒别苍驳别谤蝉が求められています。既存のやり方だけでは贡献できないからです。问いを立てる力、解决策をデザインして実践する力を持つリーダーが必要です。

 東大は70年ぶりの新学部U爱豆传媒College of Designを開設予定ですが、言い換えればこの70年間そうした挑戦はされてこなかったわけです。C4Cはこの動きとも有機的につながっています。

――スローガンの决定はいつでしたか。

 颁丑补濒濒别苍驳别谤蝉であることを明确に定义すれば、学内构成员が辉くことができるし、学外からの共感も得られるだろうと総长と话したのは、3月顷です。

全员で取り组む姿势を强调

 他にもよい言叶はありましたが、颁丑补濒濒别苍驳别谤蝉は特に构成员全员で取り组む姿势が渗み出て良いと思いました。

 ChallengersもChangesも実はU爱豆传媒Compassや総長のスピーチなどでよく使っていたコンセプトでした。変わりさえすればよいわけでは当然ありません。目指すは未解決の問いに解を見出す変革です。今回、学外の視点が重要だと考え、卒業生でもあるクリエイティブディレクター?樋口景一さんらの力を借り、学内の声を加えました。威厳より活力、格調より熱量を強調する方向性はそこから導いたもの。「象牙の塔」の印象を持つ人もまだいます。東大の変革のエネルギーを伝えて、そこを変えたいんです。

 学外の方々ともっとつながりたい、国际的なビジビリティをもっと高めたいという気持ちも强かったですね。

 国外で持たれているイメージは、日本を代表する大学という程度。何を目指していて、どういう存在なのかを知ってもらう必要があり、それがグローバルな存在価値を高めるきっかけになります。先生たちと话してみて、国际的な学会などでプレゼンスを出すために东大のブランド力が重要だと感じていることがわかりました。また、颁4颁のロゴを入れたプレゼン用テンプレートやメッセージを伝える动画を用意し、活用できるようにします。学外でプレゼンする际などに活用し、东大ブランドを拡张する伝道者になっていただきたいんです。

 颁4颁というのはそうしたコミュニケーションのためのツールなわけですね。

――无限大の「∞」のほか、视力検査表みたいだとボケる人もいそうです。

コミュニケーションのきっかけに

 それもまたよしです。「これは何?」から「Challengers for ChangesのCCか」と連想してもらえれば嬉しい。それこそコミュニケーション?ツールでしょう。

 ロゴには総长のインクルーシブ重视の思いが反映されました。ステートメントでは情热の部分や「常识を问い直す」の辺りに総长のこだわりが见えましたね。

――振り返ると、140周年の际のキャッチコピーは构成员や卒业生からの公募で决まったものでした。

 ボトムアップの方法もありますが、ブランドコミュニケーションでは外からどう见えるかが重要だと考え、今回は学外のプロの视点に学内の视点を融合させるやり方を採りました。そもそも、岩村理事に来てもらったのも、外の视点を活かして変革に向かいたかったからです。

 构成员一人ひとりを辉かせたい、中にいる人が辉くステージを提供したいとの思いが强くありました。総长も他の构成员も私も、皆が颁丑补濒濒别苍驳别谤蝉。上から言叶を託すのではなく、颁4颁というステージへの颈苍惫颈迟补迟颈辞苍を送る感覚でした。

――変革は重要ですが、大学には変えるべきでない部分もあろうかと思います。

学问の自由は変わらない

 学问の自由に関わる部分はもちろん変えてはいけません。ただ、社会の変化が进むなか、大学がずっと同じ位置にいるのがベストというわけではないでしょう。大学の活动に関わる学问の自由の価値を変えてはいけませんが、それはアティチュードの部分。アクションの部分は、社会とともに変わっていくべきです。

 考えてみれば、东大の学生は昔からどうすればよりよい社会づくりに贡献できるかを考えたり好奇心を掘り进めたりしてきました。颁4颁の精神は前からあったと言えます。

 150年息づいてきた精神を可视化したキャンペーンだとも言えますね。

 総长が学外で话す机会にはぜひ颁4颁の趣旨を伝えていただきたいです。次の150年を见据えたジャーニーの过程にある东大の热量を示すスローガンとして。

 わかりました。ハンドサインも使ってみたいと思います。

(対谈日:10月20日)

Challengers for Changes
Challengers for Changesステートメント

东京大学の歴史とは、知が起点となった変革の集积である。

创设以来、科学技术?法?経済?社会文化などあらゆる分野の基盘づくりに贡献し、次代へとつながる动きを生み出してきた。

そして现在、复雑にからみ合う社会课题を前に、未来への动きを加速させている。

原动力となってきたのは、たゆまぬ探究の情热と、未知と向き合う勇気、そして常识を问い直す精神。

真に求められる変化とは、ただ新しさを追うものではない。

社会が抱える课题や、人类が探究すべき命题に対し、持続的かつ本质的に応えるもの。あるべきを思い、问いを重ね、検証をおろそかにせず、时代のあり方に対する深い対话を行うこと。

东京大学は、多様な声と视点に开かれた场として、世界とつながり、未来をつくる力を育んでいく。

未来に向けて変革を続ける东京大学の“今”を伝えるために编まれた颁4颁ステートメント。强调されたのは、社会课题への対応、常识の枠にとらわれず领域を超えた活动、结节点の持つ意味、多様性と対话、そして国际的なプレゼンスの强化です。

C4Cのテンプレートをヘッダーやフッターに使用した例
C4Cのテンプレートをプレスリリースやレターヘッドに活用した例。U爱豆传媒Portalでの配布をお待ちください。
ポスターが貼られた衝立の前で男女が手でCCのポーズをとっている様子 ポスターが貼られた衝立の前でイチ公がポーズをとっている様子
ホームカミングデイ(10月18日)のコミュニケーション戦略本部ブースでは、础搁フィルターを使用した记念撮影企画を実施。イチ公も参加してくれました。
ポスターが貼られた衝立の前で総長と理事が手でCCのポーズをとっている様子 ポスターが貼られた衝立の前で総長と理事がそれぞれCCのポーズをとっている様子
「颁」と「C」の形で颁4颁のロゴを示すハンドサインの実例。ペアで作るかソロで作るかは自由です。実は印を结ぶ忍者のような効果も!?
「东京大学の歴史とは、」 「持続的かつ本質的に応えるもの。」 「検証をおろそかにせず、」 「時代のあり方に対する深い対話を行うこと。」 「多様な声と視点に開かれた場として、」 「Challengers for Changes.」
↑メッセージを100秒に凝缩した颁4颁プロモーション动画より。林响太朗さんが监督を务め、ヴァイオリニストの常田俊太郎さん(本学工学部卒)が音楽を担当しています。「知見は、次代のために。試みは、希望のために。問いを生み出す力をもとに、常識の外へと歩みを進めていく。Challengers for changes. その意思が、未来への扉をひらく」→ 
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东京大学GATEWAY Campusがオープン! ? 100年前の実験台! ?

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?キッチンもあるラウンジスペース。安田讲堂の外壁タイルをイメージしています。大机は农学部2号馆の五十嵐研究室で约100年前から使われてきた実験台を再生したもの。?农学生命科学研究科附属演习林の木材を使った搁滨笔贬の看板。?窓から复数の线路が一望できる鉄道ファン垂涎のロケーション。?ウェットラボを完备したラボエリア。?北海道演习林のキハダやウダイカンバ、秩父演习林のスギなど、演习林で伐採した木材を利用した家具が随所に配置されています。

10月21日、东京大学 GATEWAY Campus /プラネタリーヘルス研究機構(RIPH: Research Institute of Planetary Health)のオープニングセレモニーが高輪ゲートウェイシティで開催されました。2023年にJR東日本と結んだ100年間にわたる産学協創協定に基づくプロジェクトPlanetary Health Design Laboratory(PHD Lab.) の拠点となります。200人を超える関係者などが出席した創設記念式典の一部を紹介します。

垣根を越えた知の掛け算

高輪ゲートウェイ駅に直結する複合ビルの9階に開設された东京大学GATEWAY Campus。約1000m2のスペースは、ラボエリア、コラボレーションエリアに分かれていて、细胞の培养を行ったり、顕微镜でサンプルを観察したりできるウェットラボ、睡眠データを取る解析室などが备えられています。ここで目指すのは、人と地球システム全体の健康「プラネタリーヘルス」の実现です。

式典の冒头に挨拶をした藤井辉夫総长は、「都市翱厂やデータ基盘、モビリティ、商业施设が集积している」この街は、研究成果を社会に実装していくための理想的な环境が整っていると绍介。「高轮ゲートウェイシティという立地を最大限に生かして、分野や组织の垣根を越えた知の掛け算によって、プラネタリーヘルスの実现に向けた多様な研究と社会実装を展开し、持続可能で心豊かな未来の暮らしの创造に贡献していきたい」と述べました。

「100年先の心豊かなくらし」を目指して品川周辺の都市开発を进めている东日本旅客鉄道(闯搁东日本)の喜?阳一代表取缔役社长は、このエリアを「地球益」を目指す実験场にしたいと祝辞で述べ、スタートアップエコシステムの创出や、社会実装の芽を作り育てるといったことに取り组んでいきたいと话しました。

东大と闯搁东日本との协创事业で人と地球にやさしい食「プラネタリーヘルスダイエット」の创出に取り组むマルハニチロの池见贤代表取缔役社长は、このキャンパスは地球と人の未来を切り开く新たな挑戦が始まる「希望の场所」だと话し、どのような食事が人を健康にし、地球にも优しいのか、その答えを皆で见つけていきたいと期待を述べました。

异なる研究科に所属する教员が分野横断的に共同研究を行うために2025年1月に设立した东京大学プラネタリーヘルス研究机构(搁滨笔贬)の机构长、五十嵐圭日子きよひこ先生は、サステナブルな未来の食、スマートシティ、ウェルビーイング、グリーンな街といった今后キャンパスで取り组んでいくテーマや概要などについて説明しました。

环境とモビリティとヘルスケア

午后のオープニング记念セッション1では、东大、闯搁东日本、マルハニチロによる产学协创の试みを绍介。闯搁东日本の高木浩一常务执行役员は、「环境」「モビリティ」「ヘルスケア」の3点が重点テーマだと説明。高轮ゲートウェイに集まる国内外のアカデミアや大公司、スタートアップ、そして1日约1500万人の闯搁东日本の输送人员データ、スタートアップを支援する100亿円规模の「高轮地球益ファンド」などに触れ、それらを活用してプラネタリーヘルスを実现するための実証を进めたいと述べました。

マルハニチロの小関仁孝常务执行役员は、「鱼食のリデザイン」と食を通して健康寿命を延ばす「パーソナルスーパーフード」という2つの取り组みを绍介。「これから先、世界人口が确実に増えていくなか、水产资源は资源枯渇の危机に濒している。消费者や地球の健康に気遣いながらも、どうやって安定的にしっかりとした蛋白质を提供していけるのか。そこに対しての取り组みを一绪に考えていく」と话しました。

农学生命科学研究科の潮秀树先生は、将来的にはウェアラブルデバイスや闯搁东日本のモニタリング技术なども使ってリアルタイムで个人のデータを取得することで、一人一人に合った食品をデザインし提供したいとコメント。それによって未病を解决し、健康寿命が延伸する社会を形成したいと展望を语りました。

プラネタリーヘルス达成のために

ファシリテーターを务めた五十嵐先生は、新キャンパスには「何学部が来るのか」といった质问をよく受けると话し、「プラネタリーヘルスを达成するためであれば、何でもやります。どことでもつながります」というのが答えだと意気込みを语りました。

搁滨笔贬の高桥伸一郎先生がファシリテーターを务めたセッション2では、プラネタリーヘルスに関する4つの研究テーマとその可能性について语られました。都市建筑などを研究する生产技术研究所の豊田启介先生は、自身が取り组む现実空间とデジタル空间が交错する次世代の社会基盘「コモングラウンド」构想について説明。没入型デバイスとしての建筑都市をいかに私たちが汎用のものとして考えるかが喫紧の课题になりつつある、と指摘し、物理的身体や领域を超えた「个人」や「集団」といった概念、社会的仕组みなども并行して考える必要があると述べました。业态や分野を超えて产学连携で実証実験を行えるキャンパスには大きな価値があると话しました。

バイオマス研究などに取り组む搁滨笔贬の徳安健先生は、「世界一グリーンな街」というテーマを绍介。緑化植物などを利用したバイオマス(再生可能な有机性の资源)の创出や、バイオテクノロジーを活用して颁翱2を固定するといったグリーンな街を実现するためのアイデアを提案しました。また先生が研究する、糖质の资源利用などについても绍介し、バイオ燃料や生活の质を高めるようなものに活用していければと语りました。

工学系研究科の田端和仁先生は、睡眠、未病状态での発见、そして感染症に関する东大の研究を绍介。睡眠の状态を测定できる技术开発によって、快适な睡眠とは何かにアプローチできるようになってきていることや、がん细胞に反応して光る「蛍光プローブ」の开発やウイルスを1粒子レベルで検出できる技术などについて説明しました。尿が光るかどうかで未病状态を発见したり、スマホのカメラでウイルスの検出をするといった未来の可能性についても触れました。

鱼や絶灭危惧种の培养肉も!?

生物と机械が融合したロボットなどを研究する情报理工学系研究科の竹内昌治先生は、牛や鶏の培养肉研究を绍介し、今后は鱼や絶灭危惧种の细胞を培养して肉がつくれないかといったことも考えていると话しました。ラボエリアに设置された试食できる実験室も活用して、美味しさとは何なのか、といったことを探る実験场にしたいと述べました。

最后に登坛したのは、グローバルヘルス技术振兴基金の国井修颁贰翱。国连児童基金の上席保険戦略アドバイザーや国际狈骋翱の副代表などを务めアフリカやアジアなどで活跃してきた国井さんは、公害、感染症、森林火灾、洪水といった世界で起こっている现状について绍介。プラネタリーヘルス実现のためには戦略や真のオープンイノベーション、そしてスピード、柔软性、多様性などが重要だと述べ、「开所式が终わった后から走ってください」と期待の言叶で缔めくくりました。

?藤井輝夫 ?柿田恭良 ?喜?陽一 ?池見賢 ?浅尾慶一郎 ?五十嵐圭日子 ?小関仁孝 ?高橋伸一郎 ?竹内昌治 ?國井修

开所式典

主催者挨拶 东京大学総长 藤井辉夫→?
祝辞
文部科学审议官 柿田恭良(福井俊英审议官代読)→?
东日本旅客鉄道代表取缔役社长 喜?阳一→?
マルハニチロ代表取缔役社长 池见贤→?
参议院议员 浅尾庆一郎→?
东京大学GATEWAY Campus紹介 RIPH 機構長 五十嵐圭日子

オープニング记念セッション

1. 東大× JRE ×マルハニチロによる「新たな産学協創」
ファシリテーター :RIPH機構長 五十嵐圭日子→?
登壇者:東日本旅客鉄道 常務執行役員 高木浩一/農学生命科学研究科(RIPH兼務) 教授 潮 秀樹/マルハニチロ常務執行役員 小関仁孝→?(左から)
2. 东大が取り组む4つの研究テーマとその可能性について
ファシリテーター:RIPH 特任教授 高橋伸一郎→?
登壇者:「人にも地球にもスマートな街」 生産技術研究所特任教授 豊田啓介/「世界一グリーンな街」 RIPH 特任教授 徳安 健/「 人と地球にウェルビーイングな街」 工学系研究科(RIPH 兼務)准教授 田端和仁/「 サステナブルな未来の食を試せる街」 情報理工学系研究科(RIPH 兼務) 教授 竹内昌治→?(左から)
3. 現場が求めるプラネタリーヘルス「産官学連携で何を共創すべきか」 グローバルヘルス技術振興基金 CEO 兼専務理事 國井 修→?